発汗に関連する交感神経機能の客観的評価法に関する研究
Project/Area Number |
06770469
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurology
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
松永 薫 産業医科大学, 医学部, 助手 (80248567)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 1994: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 磁気刺激 / 交感神経皮膚反応 / 温熱性発汗 |
Research Abstract |
1.12例の健康成人において、深吸気、聴覚刺激、電気刺激(右正中神経刺激と両側眼窩上神経刺激)、頚部磁気刺激の5種類の刺激法を用いて右手掌からsympathetic skin response(SSR)を記録し、潜時、振幅と8反応における潜時及び振幅の変動係数を測定し、比較した。その結果、頚部磁気刺激法を用いた場合、最短潜時、最大振幅を示し、又、最小の変動係数を示し、最も安定したSSRが得られることが明らかとなった。 2.頚部磁気刺激法を用いて、手掌、足底以外の多数の皮膚表面からSSRを記録する条件を検討した。通常の室温下(23〜28℃)で、被検者の皮膚温が32℃以下の場合、手掌、足底以外の部位から明瞭な反応は得られなかった。しかし、四肢及び体幹に加温操作を加え、皮膚温を34℃以上に上昇させ、さらに約60〜80℃の温水を約100〜200ml程度飲用してもらうという処置をした後、全ての記録部位から再現性よくSSRが記録された。従って、頚部磁気刺激法を用いれば、通常の室温下でも温熱刺激を加えることにより、手掌、足底以外の部位からもSSRを再現性よく誘発可能であることが明らかとなった。 3.健康成人23例(平均39歳)全例において、上記方法を用いて右上腕、前腕、上前腸骨棘、大腿、膝、下腿の全記録部位からSSRが記録され、その立ち上がり潜時(sec)は各々、0.98±0.11、1.17±0.11、0.97±0.07、1.11±0.08、1.31±0.09、1.51±0.09であった。交感神経節後線維の伝導速度は、上肢で1.32±0.21m/sec、下肢で0.99±0.11m/secと算出され、上肢の方が下肢より有意に伝導速度が速かった。 4.発汗障害を呈する3例の臨床例(腰仙部神経節切除術施行患者1例、Adrenoleukodystrophy 1例、アルコール性多発神経炎1例)でSSRを用いて発汗障害分布の評価を検討したところ、ラップ・フィルム法を用いた温熱性発汗試験における発汗低下の部位とSSRの誘発不能部位が極めてよく相関した。SSRは比較的簡便に施行可能であり、発汗障害分布の評価に有用と考えられた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)