心機能動態のフラクタル次元解析による加齢現象の定量化
Project/Area Number |
06770479
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山家 智之 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (70241578)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | カオス / フラクタル / 自己相関 / リアプノフ指数 / 加齢 / KSエントロピー / フラクタル次元 / 決定論的カオス |
Research Abstract |
種々の年齢層の健常ボランテイアを対象に、超音波心臓診断法を用いて左室の収縮時系列曲線を記録し、パーソナルコンピュータに入力し、定量化、統計処理を行なうと同時に、非線形数学理論を用いて高次元位相空間内へ埋め込んでアトラクターを再構築した。カオス理論を用いてリアプノフ指数の解析を行ない、KSエントロピー及びフラクタル次元を求めカオスアトラクターの定量化を行なった。 種々の方法論を用いて左室の収縮時系列曲線の自動解析による定量化を試みたが、長時間安定した計測は自動解析では困難であったので、本年度はトレーシングペーパーにMモード像における左室内径をトレースし、イメージリーダーでパーソナルコンピュータに入力した。得られた時系列曲線をTakensの方法論によって高次元位相空間内へ埋め込んでアトラクターを再構築した。タイムラグは時系列曲線の自己相関関数の計算によって決定した。 その結果、左室収縮アトラクターの再構築には3次元以上の位相空間が必要であり、リアプノフ指数の計算による初期値依存性の判定から、左室壁運動がカオス的な挙動を示していることが明らかとなった。更に、老化の進行に応じてフラクタル次元やKSエントロピーが変化するのが観察され、非線形数学数学理論による加齢現象の定量化の可能性が示唆された。また心筋梗塞等の疾患群ではリアプノフ次元の有意の減少が観察され、心機能の判定法としても有用な方法論になりうるものと期待された。このような方法論によって心機能を支配する循環制御系の全体論的な解析が可能になるものと考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)