高血圧性心肥大におけるトランスフォーミンググロースファクターβの役割
Project/Area Number |
06770488
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
池田 フミ 山梨医科大学, 医学部, 助手 (40260567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 健司 山梨医科大学, 医学部, 助手 (10242637)
中村 享道 山梨医科大学, 医学部, 講師 (70237410)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 高血圧性心肥大 / 心筋細胞肥大 / 間質の線維化 / 拡張能障害 / 冠動脈予備能 / アンギオテンシンII / トランスフォーミンググロースファクターβ |
Research Abstract |
申請者は自然発症脳卒中易発症高血圧ラット(SHR-sp)を用いて平成6年度に以下の結果を得た。 1)12週齢SHR-spで既に心筋内冠動脈中膜の肥厚とその周囲の線維化および心筋細胞の肥大を認め、12週間のアンギオテンシンIIレセプターIアンタゴニストによる治療でこれらの改善と間質の線維化の出現の抑制を認めた。アンギオテンシンIIレセプターIアンタゴニストと同程度降圧する量のヒドララジンでは間質の線維化の出現の抑制のみを認めた。 2)12週齢SHR-spにおいて冠動脈予備能の低下を認めるも、拡張能障害はなかった。ヒドララジン治療および無治療24週齢SHR-spでは冠動脈予備能の低下と拡張能障害ともに認められたが、アンギオテンシンIIレセプターIアンタゴニスト治療群では冠動脈予備能の改善と拡張能障害の出現の抑制が認められた。 3)当研究助成金によって購入した循環冷却恒温装置を用いて、心筋ミオシンアイソフォームの変化を測定し以下の結果を得た。ヒドララジン治療および無治療24週齢SHR-spで心筋ミオシンアイソフォームがα鎖からβ鎖優位に変化していた。12週齢SHR-spでは形態学的に心筋細胞の肥大は認めるも、心筋ミオシンアイソフォームの割合に変化なかった。また、アンギオテンシンIIレセプターIアンタゴニストは心筋ミオシンアイソフォームの割合の変化を抑制した。 以上より、SHR-spにおいて心筋細胞の病的肥大、間質の線維化、血管周囲の線維化および心筋内動脈中膜の肥厚を分離することができ、これらの因子の冠動脈予備能や拡張能障害への関与を明らかにできる実験系を確立した。 4)当研究助成金により上記の実験で得られたRNAを用いて、TGF-β geneの発現をNorthern blot法で検討したが、各群間で差が認められず、TGF-βの上記変化への関与は現時点では証明し得ていない。フィブロネクチンの発現は現在検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)