Project/Area Number |
06770517
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
近藤 順義 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90178434)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1994: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 冠拡張薬 / 冠予備能 / 塩酸パパベリン / 局所心筋機能 / 局所仕事 / 冠動脈内流速 |
Research Abstract |
1。研究目的 各種冠拡張薬、特に塩酸パパベリン(塩パパ)の冠動脈内注入の心室壁局所心筋に対する影響を明かにすることを目的とした。 2。方法 雑種成犬12頭を用いた。全身麻酔開胸下に、前壁側、後壁側の壁厚と左室短軸内径を超音波測長器により、冠動脈流速を超音波ドプラ流速計により測定できるように準備した。次いで、カテーテル先端型圧力計により左室圧、大動脈圧が計測できるようにした。エラスター針を左回旋枝分枝に直接尖刺し、生理食塩水、または塩パパ2-8mgが投与できるようにした。 これらのパラメータから、コントロール時と薬剤投与時の収縮時間/Q-Q時間(STime)、Max dp/dt(+),Max dp/dt(-),Tau,収縮期平均大動脈圧(meanAOP)、拡張末期左室容量(LVEDV)、左室一回拍出仕事(SW)を求めた。さらに冠拡張薬潅流域局所と非潅流域局所の壁厚の増大率(%Th)、心電図QRSから壁厚が最大となるまでの時間/Q-Q時間(Q-MaxTh/Q-Q)、単位体積当たりの心筋が行なう局所仕事(RWM)を求めた。 3。結果 コントロールと塩パパ投与時のMax dp/dt(+)、Max dp/dt(-)、Tau、meanAOP、LVEDV、SW間には有意な差を認めなかった。塩パパ投与時、STimeは有意に短縮した。Q-MaxTh/Q-Qは潅流域局所で塩パパ投与時に有意に減少した。塩パパ投与時の潅流域局所の%Thは有意に低下し、逆に非潅流域局所の%Thは有意に増大した。これに伴い、RWMは潅流域局所で負となるかまたは有意に低下し、逆に非潅流域局所のRWMは増大した。 4。結論 塩パパの冠動脈内投与により左室全体の収縮性、弛緩特性、仕事には有意な変化を認めなかったが、塩パパ潅流域局所の心筋の弛緩開始は早まり、収縮性と仕事は低下した。逆に塩パパ非潅流域局所の収縮性、仕事は増大し、丸ごとの心臓の機能は保たれたと考えられた。塩パパ冠動脈内投与は投与法、投与領域によっては必ずしも安全ではないと考えられた。
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