心筋梗塞後の運動負荷時のST上昇に関する実験的研究
Project/Area Number |
06770520
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
宮崎 俊夫 近畿大学, 医学部, 講師 (10209893)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 心筋梗塞 / ST部分 / 運動負荷 / 心筋虚血 / 局部心筋血流 / 壁運動 |
Research Abstract |
1.前胸壁誘導のQ波を有する部位で運動負荷時ST上昇が誘発された(前0.10±0.14[SD],負荷0.25±0.14mV,P<0.01).心拍数は112.3±15.2から216.8±20.1bpm,左室収縮期圧は109.7±19.8から152.7±20.2mmHg,左室拡張末期圧は11.7±3.3から26.9±11.5mmHgと増加した. 2.収縮期wall thickeningで評価した局部壁運動は梗塞部,梗塞寄り辺縁部(心内膜側梗塞境界から平均5mm梗塞寄り)ではwall thinningを呈し,運動で変化しなかった,非梗塞寄り辺縁部(ほぼ心内膜側梗塞境界上)では非梗塞部に比べhypokinesiaを呈したが,負荷で壁運動は有為に増大した(前5.3±3.0,負荷9.4±4.4%,P<0.01).非梗塞部は運動でhyperkinesiaを呈した(前20.1±5.3,負荷25.6±5.1%,P<0.01). 3.心筋全層の局所心筋血流は梗塞部,梗塞寄り辺縁部では著しく低値で負荷時の変化は有意ではなかった.一方,非梗塞寄りの辺縁部の心筋血流は遠隔の非梗塞部とほぼ同様であり、運動負荷で約3倍に増大した.これらの変化は心筋内層の局所心筋血流でも同様であり,また内層/外層の心筋血流比の低下はなかった. 4.TTC染色による局所の梗塞の深達度は梗塞部で89.9±2.7%,梗塞寄り辺縁部で74.0±9.0%,非梗塞寄り辺縁部17.8±6.5%,非梗塞部0.9±1.8%であり,冠動脈結紮による梗塞モデルに比べ高い貫壁性を有する梗塞であった. 5.梗塞の辺縁で運動負荷中に局所壁運動の改善に伴い心筋血流も増加していることから,このモデルにおいて運動負荷ST上昇時の心筋虚血の関与は否定的である.
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Report
(1 results)
Research Products
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