Project/Area Number |
06770526
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
山本 喜一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (00210526)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 肥大型心筋症 / 心筋肥大 / 癌遺伝子 / c-myc / c-H-ras |
Research Abstract |
心筋細胞培養系での刺激実験や圧負荷動物モデルを使った研究において、心筋細胞の肥大とともに癌遺伝子が発現することが注目されている。本研究は、ヒト肥大型心筋症(HCM)の心筋について癌遺伝子の発現の有無を調べ、その意義を明らかにすることを目的とした。心内膜心筋生検組織よりmRNAを抽出し、RT-PCR法を用いて、c-myc遺伝子については定性的検討を行い、c-H-ras遺伝子およびβ-MHC遺伝子についてはGAPDH遺伝子を内部コントロールとした相対的定量解析を行った。 心筋でのc-myc遺伝子の発現はHCM13例中5例に、対照6例中1例に認められた。また、HCMでc-myc遺伝子発現群は、非発現群に比較して、β-MHC遺伝子の発現量と肥大の程度が有意に大であった(p<0.05)。c-H-ras遺伝子の発現量は対照群に比較してHCM群で有意に大きかった(p<0.02)。さらに、β-MHC遺伝子の発現量と錯綜配列の程度との間に有意な相関を(p<0.05)、またc-H-ras遺伝子の発現量と心筋肥大との間に有意な相関を認めた(p<0.05)。 本研究より、ヒトHCMの心筋生検組織においてc-mycやc-H-ras遺伝子が発現しており、しかもそのmRNAレベルの発現が増大していることを証明した。この結果から、これらの癌遺伝子はHCMにみられる異常心筋肥大の原因・病態に重要な役割を演じていることが示唆された。しかし、本症の病因には多数の遺伝子レベルでの異常が複雑な形で関わっていることが推測され、今後その他の癌遺伝子さらに心筋肥大代謝に関与する遺伝子についても検索する必要があると考える。
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Report
(1 results)
Research Products
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