C型肝炎ウイルス感染小児の予後に対するウイルス変異の意義に関する研究
Project/Area Number |
06770557
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
長田 郁夫 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (50252846)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | C型肝炎ウイルス(HCV) / HCV-RNA / ウイルス変異 / C型慢性肝炎 / PCR法 / Sanger法 |
Research Abstract |
HCV感染小児47例を対象としてC型肝炎ウイルス(HCV)抗体検出、PCR法やDNAプローベ法を用いたHCV-RNAの検出、遺伝子型の同定、HCV-RNA量の測定を行った。またHCV-RNAの超可変領域を含む約600塩基をPCR法により増幅し、クローニングを行い塩基配列を決定し、Neighbor-Joining法を用いて分子系統樹を作成した。 HCV感染小児において推定される感染経路は輸血ないしは輸血製剤が約75%であり、そのほかは母子感染と考えられた。遺伝子型はII型が約70%で、I、III、IV型が7〜10%であった。HCV-RNA量は感染初期には変動が大きく、その後安定し数年の単位で上昇していく症例と低下する症例があった。また母子感染症例において生後早期から肝機能障害が認められる症例ではHCV-RNA量は低値であり、肝機能障害が認められない症例ではHCV-RNAは高値が持続した。母子感染と考えられる症例について母子間の塩基配列を比較したところ分子系統樹上で隣接しており、母子感染の証明が可能であった。 本研究ではHCV感染小児の臨床経過と遺伝子型、HCV-RNA量についての関係が明らかとなり、またHCV-RNAの塩基配列をもとにして母子感染をはじめとした感染経路の解明が可能であることが明らかとなった。本研究の結果をふまえて、臨床経過とHCV-RNA量、塩基配列の変異を明らかにすることにより長期予後の判定、治療効果の推定などに関する研究を進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)