未熟発達脳における中枢性心拍呼吸調節機能の発達に関する研究
Project/Area Number |
06770572
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
福島 直喜 大分医科大学, 医学部, 助手 (60218914)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 多次元自己回帰モデル / 未熟児 / 心拍呼吸 / インパルス応答周波数 / ノイズ寄与率 / 無呼吸 |
Research Abstract |
【目的】中枢性の呼吸調節機構は,生体内情報,例えば血中炭酸ガス,酸素濃度,心拍などを入力とし,それに基づいて呼吸筋群への出力を最適化しようとする,線形フィードバック制御システムとしてとらえることができる。我々は多次元自己回帰モデルを用いて,未熟発育脳における心拍呼吸相互の周波数応答やノイズ寄与率を求め,かつ,その発達特性を知ることを目的として,本研究を行った。 【対象と方法】対象は胎生期,周産期に特に異常のない,在胎26週〜38週6日(平均33週4日±3週5日),出生体重940〜2488g(平均1692±451g)の低出生体重児34例である。これらの症例の自発呼吸下で,受胎後30週より40週までの,生後5日以上経た時点より,哺乳後約1時間の睡眠時ポリグラフを計78回施行した。これらポリグラフ記録時に脳波,心電図及び呼吸波形を同時に磁気記録した。心電図RR間隔は50〜60Hzの帯域通過フィルターを用いてR波をトリガーとして,パルス間隔測定装置(松栄電子製)に入力し,アナログ電圧1Vを1024msecになるように取り出した。得られたRR間隔と呼吸波形の離散時系列に,赤池の多次元自己回帰モデルを用いて,RR間隔と呼吸相互間のインパルス応答周波数とノイズ寄与率を計算した【結果】在胎26週から38週の低出生体重児の心拍呼吸間インパルス応答周波数は0.56〜0.89Hzであり,ノイズ寄与率は受胎後30週では22.9±13.7%であったが,受胎後40週では67.9±9.1%になり発達と共に増加した。この呼吸から心拍へのノイズ寄与率は受胎後32週から35週に,急激な有意(P<0.01)の増加を認め,これは未熟児無呼吸発作消失時期と一致した。【考案】多次元自己回帰モデルによるインパルス応答やノイズ寄与率は未熟児・新生児において,脳幹に存在する心拍呼吸調節中枢を介する心拍・呼吸相互応答の発達指標として有用であると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
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