Project/Area Number |
06770616
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青山 浩明 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (80231794)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 接触過敏反応 / 貨へい状湿疹 / 高齢者 / 環境抗原 / パッチテスト / バリアー機能 / 経表皮水分蒸散量 / 皮表脂質 |
Research Abstract |
高齢者の下腿にドライスキンとともによく見られる貨幣状湿疹の病因、病態を検索した。代表的な環境抗原であるダニ、ハウスダスト抗原でパッチテストを行ったところ、高齢者の貨幣状湿疹患者は正常の高齢者に比して高率に遅延型の接触過敏反応が惹起された。これは正常の若年者に比しても高率であった。ただし、ダニ、ハウスダスト抗原に対する血清IgE値の上昇は伴わなかった。カンジダ抗原に対しても高齢者の貨幣状湿疹患者では、通常、加齢とともに陽性率が低下するにもかかわらず、若年者と同様の高率に接触過敏反応を呈した。これらから、高齢者の貨幣状湿疹患者では、若年者のアトピー性皮膚炎の様な血清IgE値の上昇は伴わずにダニ、ハウスダスト抗原に対する遅延型の接触過敏反応が高率に成立していることが分かった。カンジダ抗原に対するような、基本的な抗原に対する遅延型反応の結果からも高齢者の貨幣状湿疹患者では免疫能がむしろ維持されている可能性が示唆された。 非侵襲的な検査法による皮膚のバリアー機能を経表皮水分喪失量を指標として測定すると、高齢者の貨幣状湿疹患者の下腿伸側の無疹部と正常の高齢者比較すると、経表皮水分喪失量は前者で高値を示した。角層水分量は前者が低値であり、高齢者の貨幣状湿疹患者の皮膚は無疹部においてもバリアー機能が低下していることが分かった。しかし、皮表脂質の量は差を認めなかった。 高齢者の貨幣状湿疹は環境抗原に対する接触過敏反応と皮膚のバリアー機能が低下の両者が関与して発症すると考えられた。
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