Project/Area Number |
06770757
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychiatric science
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
氏家 寛 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (90213420)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | シグマ受容体 / 精神分裂病 / メタンフェタミン逆耐性現象 / 前頭前皮質 / 海馬 / 長期持続性 / ^3H-YM-09151-2 |
Research Abstract |
σ受容体結合実験に用いられてきた従来の放射性リガンドには種々の問題があるため新しい方法を確立した。[^3H]-YM-09151-2はD2/D3/D4のリガンドとして知られているが、これがNa^+ free buffer中、25nM spiperone存在下ではσ受容体に特異的にしかも高親和性に結合することを見いだした。Scatchard解析ではone site(Kd=1.48±0.31nM、ラット全脳crude membrane画分)であったが、σ1選択性の高い(+)-pentazocineによる阻害実験から、two site(σ1/σ2)であることがわかった。ラット全脳ではσ1とσ2の存在比は約1:3であった。 この方法を用いて精神分裂病の動物モデルであるメタンフェタミン逆耐性動物でのσ受容体の変化を検討した。メタンフェタミン4mg/kgを腹腔内に1日1回、14日間反復投与して逆耐性を形成し、種々の断薬期間後に断頭し、冠状切片を作製し、autoradiographyを行なった。断薬24時間後では内側前頭前皮質、海馬、黒質(緻密層、網状層)、中脳被蓋部、小脳で[^3H]-YM-09151-2結合が増加していた。その他の部位(線状体、視床、側坐核、梨状様皮質など)では変化がなかった。経時的検討では断薬7日後、21日後にて検討したところ、後2者の増加は一過性であったが、前2者の増加は3週間後でも持続してみられた。逆耐性現象の最も重要な特徴の一つは一旦形成されると半永久的にこの可塑性変化が持続することであることから、今回の結果と合わせると内側前頭前皮質と海馬でのσ受容体の持続的増加がこの現象に関与していると考えられた。また、これまでのわれわれの行動薬理学的知見を考慮すると、精神分裂病ではσ受容体の過活動が生じており、これが病態生理において大きな役割を果たしているものと考えられた。
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