Project/Area Number |
06770805
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 裕 京都大学, 医学部, 助手 (40252457)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | C型ナトリウム利尿プペチド / 血管内皮由来弛暖因子 / サイクリックGMP / マイクロサテライト / モノクローナル抗体 / ショック / 敗血症 |
Research Abstract |
ナトリウム利尿ペプチドファミリーは、ANP,BNP及びCNPより構成される。1992年、我々は、それまで神経ペプチドとしてのみ働くと考えられていたCNPが血管内皮細胞において生合成されることを明らかにし、CNPが一酸化窒素(NO)と並ぶプペチド性の血管内皮由来弛緩因子(EDRF)であることを発見した。今回、血管壁においてparacrine/autocrine regulatorとして働くと想定されるCNPの病態生理的意義について検討した。1.マウスCNP遺伝子クローニングと染色体位置の決定:マウスCNP遺伝子(約2.6kb)のクローニングに成功し、CNP遺伝子は少なくとも2つのエクソンと1つのイントロンから構成されていることが明らかとなった。マウスCNP遺伝子5'-隣接領域の近位部にはTATA box、cAMP応答因子様配列、SP1結合部位(GC box)、逆向きCCAAT配列(Y box)が認められ、その上流に25回のCA反復配列(マイクロサテライト)が認められた。PCR法による組換え近交系マウス間のマイクロサテライト多型の解析より、マウスCNP遺伝子は、Ren-1遺伝子と近接して第1染色体に存在することが明らかとなった。ANPとBNP遺伝子は、マウスでは第4染色体上に隣接して存在することが報告されており、神経ペプチドあるいはCNPは、心臓ホルモンであるANP及びBNPとは機能的にも遺伝子進化の上でも異なることが示唆された。2.抗CNPモノクローナル抗体の作成とそのRIA及び中和実験への応用:合成CNP-22をBALB/Cマウスに対し免疫投与し、CNPに対するモノクローナル抗体を得た。このモノクローナル抗体、KY-CNP-IはIgG_1サブクラスに属し、CNP対しKa=2.8×10^<10>M^<-1>と高い親和性を示した。KY-CNP-I用いたCNPに対するRIAの感度は、IC_<90>=1fmol/tube、IC_<50>=10fmol/tubeと高感度であった。更に、KY-CNP-Iは、CNPによる培養血管平滑筋細胞でのcGMP産生及びCNPの生体ラットへの静脈内投与による血中cGMP濃度の上昇を抑制した。3.ヒト及びラット血中におけるCNPの検出とショックにおけるCNPの臨床的意義の検討:健常人13名(64±14才)及び雄性ウィスター系ラット(250〜300g)より採血し、Sep-Pack C18カラムを用い血漿を抽出後、血中CNPの存在について検討した。ヒト及びラット血中にCNP様免疫活性を認めた(各々1.2±0.1fmol/ml及び2.4±0.4fmol/ml)。更に、CNPの強力な刺激因子であるTNF-αがその病態の中心をなすと考えられる敗血症患者で血中CNP濃度を測定したところ、12.3±2.9fmol/mlと有意に上昇し、更にショック患者(出血性、心原性、アナフィラキシ-)でも5.0±0.8fmol/mlと上昇を認め、これらの病態におけるプペチド性のEDRFと考えられるCNPの意義が示唆された。
|