副腎腫瘍におけるG蛋白およびAnoiotensinII受容体異常の検討
Project/Area Number |
06770813
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
柴田 洋孝 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20245484)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 副腎腫瘍 / 原発性アルドステロン症 / クッシング症候群 / 副腎癌 / アンギオテンシンII受容体 / 分子生物学 / 細胞内情報伝達 / ホルモン産生 |
Research Abstract |
副腎でのステロイド産生とくにアルドステロン産生にはアンジオテンシンII(AII)が重要な役割を果たしていいることがよく知られている.AIIは細胞膜表面にある7回膜貫通型の受容体を介してG蛋白質に情報を伝えさらにはカルシウム動員を行ないアルドステロン合成酵素に作用する.したがって,この受容体の動態およびG蛋白質の変化を検討することによりAIIのアルドステロン合成における役割をより一層明確に出来る.今回行なった実験では,副腎腫瘍(原発性アルドステロン症,クッシング症候群)および腎癌患者より得られた副腎を用いて,AII受容体をmRNAレベルでnorthern Blot解析を行なった.その結果,原発性スルドステロン症患者の副腎ではAII受容体mRNAはほぼ非腫瘍部分と差異がなく,また,クッシング症候群ではAII受容体mRNAは著しく低下していた.このことはアルドステロン症においてはAIIの反応が比較的血漿AIIが低下しているにも関わらず保持されていることと一致している.一方,クッシング症候群では低下していたことは,従来,ラットの血管平滑筋細胞を用いた実験での,AII受容体はむしろ亢進している結果と比較すると組織毎にその制御が異なっている可能性が示唆された.G蛋白質遺伝子においては,副腎組織より抽出したgenomic DNAを用いてGsα蛋白のコドン201,227を含む領域およびGiα蛋白のコドン179および205を含む領域を増幅するプライマーを作成してPCRを行ない,塩基配列の決定を行なった.いずれの副腎腫瘍でもPCRにより正常と同じ長さのPCR産生物を生じた.これらの塩基配列を解析したところ,明らかな点突然変異は認めなかった. 以上の実験結果から,AIIの副腎でのステロイド産生に及ぼす影響は主として受容体レベルで決定されていることが明らかになった.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)