I型糖尿病の膵β細胞障害におけるFas抗原とapoptosisの関与の検討
Project/Area Number |
06770824
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
行徳 直子 久留米大学, 医学部, 助手 (70261071)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | Fas抗原 / apoptosis / TNF-α / DNA鎖切断 / I型糖尿病 |
Research Abstract |
私どもはこれまでにI型糖尿病のβ細胞障害にβ細胞自体が産生するTNF-αが関与している可能性を示してきた。TNF-αはIFN-γと同時に膵島細胞に作用させるとMHC抗原を誘導し、細胞障害をもたらす。しかしこの細胞障害が細胞膜障害によるnecrosisであるのか核障害によるapoptosisであるのかは不明である。最近、apoptosisの誘導にはTNF受容体familyの1つであるFas抗原が関与していることが示され、細胞障害における意義が注目されている。そこで、今回マウス膵島細胞およびcell lineにおけるFas抗原の発現を検討し、さらにサイトカインによる膵島細胞DNA鎖切断も検討した。 非刺激状態の正常膵島細胞においてはPCRによってもFas抗原mRNAは検出されなかったが、IL-1β,IFN-γ,TNF-α添加後12時間でいずれもFas抗原mRNAが誘導され、特に3者を併用すると強い発現が見られた。transgenic mouse由来のβ-cell line(βTC1),α-cell line(αTC1)はいずれも非刺激状態でFas抗原mRNAを弱く発現しており、サイトカインの3者併用により増強された。またサイトカイン添加後膵島細胞cell lineにおいてapoptosisに特徴的な現象であるDNA鎖切断が起こるかどうかを抗DNA、抗histon抗体を用いたELISA法、agalose gel電気泳動で検討したところ3時間後からサイトカイン3者併用により両cell lineでDNA鎖切断が認められ、βTC1においてより顕著であった。膵島細胞においてサイトカイン刺激によりFas抗原mRNAが発現しDNA鎖切断が誘導されたことから、I型糖尿病におけるβ細胞破壊にapoptosisの機序が関与している可能性があると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)