Research Abstract |
本研究においては、骨髄移植後の造血と免疫再構築における各種のサイトカインや接着因子の末梢単核中における発現について解析し以下の新しい知見を得た。 1.広範型慢性GVHD患者の末梢単核球においてはコンカナバリンA刺激に対するIL-2,IL-5,INF-γなどのサイトカインの遺伝子発現が低下していることが明らかになり、このことが広範型慢性GVHD患者における免疫不全と関連しているものと推測された。(Bone Marrow Transplant 14,695-701,1994) 2.同種末梢血幹細胞移植の可能性と、その際の細胞性免疫抑制性サイトカインの重要性を指摘した。(Blood 84,3595-3596,1994) 3.リンパ球混合培養系におけるサイトカインおよび接着因子遺伝子発現が移植関連合併症の予知に有用である可能性を明らかにした。(Leukemia and Lymphoma,in press) 4.GVHD患者の末梢単核球においてIL-2およびIL-6受容体の遺伝子発現が亢進していることを明らかにした。(Leukemia and Lymphoma,in press) このように、本研究によって同種骨髄および末梢血幹細胞移植におけるサイトカイン、接着因子ネットワーク機構の重要性が明らかにされた。
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