全能性幹細胞における受容体型チロシンキナーゼtieの発現
Project/Area Number |
06770846
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岩間 厚志 熊本大学, 医学部, 助手 (70244126)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 受容体型チロシンキナーゼ / tie / 造血幹細胞 / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
申請者らは、受容体型チロシンキナーゼtieのmRNAが骨髄造血幹細胞に発現され、分化にともないその発現が消失することをこれまでに報告した。本研究においては我々は、ヒトおよびマウスtieに対するモノクローナル抗体を作成し、血液細胞におけるtie蛋白の発現を詳細に検討した。tieはヒト骨髄有核細胞のCD34陽性幹細胞分画の42%に発現し、しかも最も未分化な幹細胞とされているCD34^+CD38^-細胞の81%に発現が確認された。またin vitroのアッセイでも、CD34^+tie^+細胞のほうがCD34^+tie^-よりコロニー形成能がよく、LTC-IC(long-term culture initiating cells)も多く含んでいた。マウスでもヒトとほぼ同様の所見を得た。以上の所見は、tieが血液幹細胞でも最も未分化な細胞に発現し、幹細胞の増殖や自己複製に関与する可能性を示している。今後はtieの造血幹細胞における機能解析を行なう予定である。また他のグループの報告のようにtieが血管内皮細胞に発現していることも確認した。血液細胞と血管内皮細胞は同じ中胚葉由来の細胞系列であり、それぞれの細胞系列に分岐する以前に共通の母細胞が存在すると考えられている。tieはこれら両方の細胞系列の共通母細胞にも発現されるものと想定され、我々が作成したモノクローナル抗体を用いて、yolk sacでの共通母細胞の同定、およびEmbryonic stem cellを用いての共通母細胞の同定を行ない得るものと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)