尿細管細胞内ライソゾーム酵素のホルモン依存性遊離の機序とその部位特異性
Project/Area Number |
06770865
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Kidney internal medicine
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水梨 一利 東北大学, 医学部, 助手 (80241610)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | グルコサミニダーゼ / 副甲状腺ホルモン / カルシトニン / サイクリックAMP / 尿細管 / 副甲状腺機能低下症 |
Research Abstract |
尿細管からのN-acetyl-β-D-glucosaminidase(NAG)の遊離が、外因性副甲状腺ホルモン(PTH)によって促進されることは既に報告しているが、今回これが、内因性PTHによっても促進されることを明らかにした。更に、尿細管からのNAGの遊離は、カルシトニン(CT)によっても促進されることが明らかとなった。PTHやCTによるNAGの遊離は、尿細管におけるサイクリックAMP(cAMP)合成と並行し、cAMP投与によって再現されることも明らかにされた。PTHによるNAG遊離は近位尿細管に由来し、CTによるNAG遊離は遠位尿細管に由来する可能性が考えられた。偽性副甲状腺機能低下症においては、PTHの標的器官の応答性の低下により、カルシュウム・リン代謝異常を来すが、我々は、これまでの検討によって、PTH不応の部位が近位尿細管に限局することを報告してきた。サイアザイドに対する反応性の異常やエリスロポエチン過剰産生による多血症も本症における近位尿細管の機能異常を示唆するものである。本症においては、PTHによるNAG排泄増加反応が低下しているが、cAMPに対しては過大反応を示すことから、細胞内cAMP増加以後の反応は障害されていないことが示唆された。また、CTによるNAG排泄増加反応がG蛋白活性に並行していたことから、NAG排泄増加反応は、尿細管のCTに対するG蛋白依存性の反応の指標として有用と考えられた。以上より、NAG遊離が、尿細管細胞のホルモン応答性の新たな指標となる可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)