Research Abstract |
ウィスター・キョ-トラットの心筋梗塞においてはウィスター・キョ-トラットのシャム群に比較して,慢性期(心筋梗塞作成4週後)における心拍数および腎交感神経活動に関する動脈圧受容体反射の感受性は減弱していた.高血圧自然発症ラットのシャム群ではウィスター・キョ-トラットのシャム群に比較して,動脈圧受容体反射の感受性は心拍数および腎交感神経活動の両者に関して減弱していた。高血圧自然発症ラットの心筋梗塞群では,心筋梗塞後4週後の慢性期において動脈圧受容体反射の感受性が高血圧シゼン発症ラットのシャム群に比較してさらに減頭していた。しかもこの動脈圧受容体反射の感受性の減弱は,心臓(心拍数)に関してのみならず,腎交換神経活動に関しても認められた.一方,ウィスター・キョ-トラットおよび高血圧自然発症ラットの心筋梗塞群に対してAngiotensinI変換酵素阻害薬のデラプリルの活性型(M-1)あるいはAngiotensinIIタイプ1受容体拮抗薬であるCV-11974の急性静脈内投与を施行したが、減弱した動脈圧受容体反射機能はあまり改善しなかった。 以上の通り,心筋梗塞の合併は正常血圧動物においてのみならず高血圧動物においても動脈圧受容体反射の障害をもたらすことが示された.その結果,心筋梗塞を合併した高血圧症動物では,血圧変化に対する心拍数および交感神経活動の調節は極めて高度に障害されることが示された。
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