Research Abstract |
我々は、細胞特異性のあるAFP遺伝子のエンハンサー/プロモーターの下流に殺細胞毒素遺伝子を有するプラスミドを作製し、AFP産生性腫瘍細胞に導入して、その効果をin vitroにて検討する研究を考察した。 昨年度までにAFP調節遺伝子の標的細胞での転写活性の特異性を検討するために、レポーター遺伝子としてAFP遺伝子の5'側上流5.1kbを含むCAT遺伝子(pAF5.1CAT)を用い、特異的なCAT発現を認めた。本年度の実績は、 1.AFPエンハンサー/プロモーター領域の下流に殺細胞遺伝子として、ジフテリア毒素A鎖の遺伝子を組み込んだプラスミド(pAF5.1DTA)を作製した. 2.ヒトAFP産生性肝癌株(Huh-7,HepG2)と、非産生株(NUE,MKN-45)に、pAF5.1CATとcotransfectionし、CAT発現の抑制をもって抗腫瘍効果の検討を行った.Huh-7,HepG2において対照として加えた逆向きにつないだ毒素遺伝子を有するプラスミド(pAF5.1DTA-R)投与群に比較し、CAT発現が抑制されていた. AFP遺伝子のエンハンサー/プロモーターを用いることにより、標的細胞に特異的な毒素発現の可能性が示唆された.これを遺伝子治療に応用すべく、リポソームに包埋しin vivoでの有用性についても検討中である.
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