Research Abstract |
1.PCT(portacaval transposition)原法における結果 (1)体重増加および血清学的検査 体重増加とS-GOT,S-GPT,血中クレアチニンはcontrol(以下C)群とportacaval transposition(以下P)群で両者に統計学的な有意差を認めず,既出論文の結果が追試できた.(n=6) (2)肝下部下大静脈圧 P群では3,5,10週後にそれぞれ8.4±3.8,7.6±1.1,7.1±2.0(cmH_2O)であり,C群の平均5.8cmH_2Oと比較して有意に高圧であった.またP群では術後経過とともに減少する傾向がみられた.下肢静脈から造影すると,腰静脈を主とした下大静脈の側副血行路が描出された.(n=6) (3)シャント率 肝下部下大静脈に著明なシャントが形成され,ほとんど肝が描出されないシャント率が100%近いものも多かった.比較的シャントが少ない例を人為的に選択すると,シャント率は48.8±34.5(3週),50.4±20.5(5週),40.7±13.4(10週)(%)であった.(n=5) 2.頸静脈間置法によるPCT変法における結果 具体的な数値は示さないが,結果的にはPCT原法と比較してシャント率はまったく改善しなかった.体重増加および血清学的検査結果は原法に比較して有意差はなく,また肝下部下大静脈圧にも有意差はなかった.(n=5)肉眼的には間置した自家静脈グラフトは萎縮しpatencyに乏しく,原法と同様に腰静脈を介した側副血行路が認められた。
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