Research Abstract |
肺移植において,レシvoエントの血液と最も多く接する機会を持つ移植肺の血管内皮細胞は拒絶反応の初期より何らかの徴候が現れる可能性を持っている。この点に立脚し、同種肺移植における移植肺血管内皮採取による急性拒絶反応診断の可能性を検討することを目的とした。Brown-Norway系ラットをドナー、Lewis系ラットをレシvoエントとした同種肺移植を行い、1)組織診による拒絶反応の程度(JOCHUMPROP等の分類に準ずる),2)免疫染色組織診による血管内皮の接着因子ICAM-1の発現率,3)フローサイトメトリーにて定量化した血管内皮擦過法による採取血管内皮細胞のICAM-1発現率を比較する予定であったが、施行した11組の移植中3組が術死、8組が術翌日に死亡した。死因は出血,血管吻合部狭窄,窒息で手技上の問題であった.術翌日死亡例の組織所見では軽度の細胞浸潤と強い浮腫が認められる傾向があった。一方、免疫染色組織診でのICAM-1発現はあまり染まらないものから軽度に染まるものまで種々あり、全体的に染まりの悪い傾向が見られた。この所見は、死後時間を経過してからの検体だったことに起因すると考えられた。また、フローサイトメトリーによる定量化も検体が不適当だったため、測定ができなかった。今後も引続き同研究を改良し,継続し、本研究課題の解明および経皮的移植肺血管内皮細胞採取法による急性拒絶反応診断を確立していくつもりである。
|