Project/Area Number |
06771052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thoracic surgery
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
川村 幸平 東邦大学, 医学部, 助手 (80204775)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | トロポニンT / 開心術 / 小児 / 心筋PH / 心筋保護法 |
Research Abstract |
今回小児開心術における周術期の心筋障害のパラメータとして血清トロポニンTの測定と心筋PHの測定を行った。 研究計画書にはcontrolled aortic root reperfusion法を行うと述べていたが、実際の臨床においてはこの方法はいまだ一般的でないため今回の研究期間では行うことができなかった。血清トロポニンT値は周術期の最高値は9.1±6.9ng/ mlで約半数は人工心肺離脱直後にpeakとなった。血清トロポニンTは開心術における心筋障害の指標としても有用であった。心筋PH温度計を使用したが購入したプローブが大きく乳児早期の症例には心筋に刺入するのが大きさの関係で困難であり対象とした症例すべてに測定することができなかった。しかし実際に測定してみると心筋保護液を注入して間もなくPHは約5.1〜5.6となり1時間後には4.8〜5.0程度まで低下した。最低心筋温は 10.5±4.2度(2.7〜20.4度)であった。大動脈遮断時間、最低心筋温、最低直腸温は血清トロポニンT値の最高値と相関関係にあり最低直腸温、最低心筋温とは負の相関関係にあった。心筋PH値は測定できた症例が多くなかった為に一定の傾向を認めることができなかった。今回の研究では当初計画していた新しい心筋保護法を導入することができなかった為に比較検討することができなかった。しかし周術期の血清トロポニンT値の測定は開心術の心筋障害のパラメータとしては特異性や鋭敏性に優れ有用と思われた。また心筋PH温度計も開心術中の心筋保護における心筋代謝の指標として今後有用と思われた。今後も症例を重ねて検討して行く予定である。
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