Research Abstract |
実験1[方法]6カ月齢のrat(retired breeder)を用い,骨負荷(+)と骨負荷(-)の2群に分けた.骨負荷(+)群には脛骨曲げ装置(スチール製の4点バ-によりin vivoで負荷を加える)を用いて右脛骨に31N(36cycle,2Hz)の機械的負荷を3週間にわたり1日おきに加えた後,calceinでラベリングを施行し,屠殺した.骨負荷(-)群には機械的負荷は加えず、同様にラベリングの後、屠殺した。脛骨骨幹部にて皮質骨を、脛骨骨幹端部にて海綿骨を骨形態計測を用いて評価した.骨形態計測のパラメータは骨形成の指標としてformation surface(FS),mineral apposition rate(MAR),bone formation rate(BFR)を用いて検討した.[結果](1)歪み(in vivo):脛骨皮質骨の切片を用い,慣性モーメントを算出した.これに基づき算出した歪は1305.1±243.5μεであった.(2)皮質骨の計測結果:FSは脛骨外側,内側両面にて両群間に差は認めなかった。しかしながら発生した歪とFSとは有意な正の相関があった。MAR,BFRは外側面にて両群間に有意な差が見られた. 実験2[方法]実験1と同様に,卵巣摘出群(OVX),卵巣非摘出群(SHM)の2群に分けて、右脛骨に機械的曲げ負荷を加えた。[結果]FSは脛骨内側面にてOVXの効果が認められ,BFRは脛骨内側面でOVXの効果がみられたが、骨負荷の効果は両群間で差がなかった.海綿骨の計測結果では脛骨骨幹端部の海綿骨部の骨量はOVXにより著明に低下していた. 実験3[方法]実験1,2と同様に正常カルシウム摂取群(NCA)と低カルシウム摂取群(LCA)の2群に分けて、実験1と同様に右脛骨に機械的曲げ負荷を加えた。解析は脛骨のsoft X-rayを撮影し、脛骨・腓骨の仮骨の有無を検討した。[結果]soft X-rayの解析では脛骨・腓骨の仮骨形成はNCAで57%、LCA群で86%と両群間で有意な差はなかった。 まとめ 以上の実験結果から以下の結論が得られた。(1)rat脛骨に約30Nの力を加えることで約1300μεの歪みを生じ、骨形成が促進した。(2)卵巣摘出はこの骨形成の促進に影響を与えなかった。(3)カルシウムの不足はこの骨形成の促進に影響を与えなかった。
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