Project/Area Number |
06771243
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Anesthesiology/Resuscitation studies
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
南 敏明 大阪医科大学, 医学部, 助手 (00257841)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | allodynia / hyperalgesia / プロスタグランジン / グルタミン酸受容体 / 一酸化窒素 / PGE受容体 |
Research Abstract |
アスピリンの解熱鎮痛作用がプロスタグランジン(PG)の合成阻害によることはよく知られているが、申請者らは、生理活性物質として初めてPGF_<2α>がマウス髄腔内投与により、軽い触覚刺激(非侵害性刺激)に対して強い痛みを感ずる感覚異常、allodyniaを引き起こすことを報告した。このallodyniaは、難治性で慢性痛となる帯状疱疹後神経痛や反射性交感神経性萎縮症等の動物モデルとしてもきわめて有用である。申請者らは、このallodyniaを含めてPGの痛覚に及ぼす作用を脊髄レベルで検討して以下の治見を得た。 1)マウス髄腔内投与によるPGD_2、PGE_2、PGF_2、の痛覚に対する作用とグルタミン酸受容体の関与 PGF_<2α>のみならず、PGD_2、PGE_2でも非侵害性刺激を加えるとallodyniaが出現することを見出した。最近、アミノ酸の1つ、グルタミン酸が中枢神経系において神経伝達物質として、学習や記憶など、シナプスの可塑性に中心的な役割を担うことが分かってきた。申請者らはグルタミン酸をマウス髄腔内に投与すると0.1pg-0.1μg/マウスの低用量でallodyniaが出現すること、PGE_2とPGF_<2α>によるallodyniaがグルタミン酸受容体拮抗薬で抑制されることから、PGのallodyniaにグルタミン酸が伝達物質として重要な役割を果たしていることを明らかにした。 2)PGE_2によるallodyniaと痛覚過敏に関与するPGE受容体サブタイプの同定 PGE_2はEP_1、EP_2、EP_3の少なくとも3種のサブタイプのEP受容体を介して多彩な生理薬理作用をすることが知られている。申請者らは種々のEP受容体作動薬を用いてallodyniaまたは痛覚過敏作用に対する反応を検討して、PGE_2によるallodyniaはEP_1受容体、PGE_2による痛覚過敏作用はEP_2、EP_3受容体を介して生じることを明らかにした。
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