Research Abstract |
膀胱ムスカリン受容体サブタイプの生理的役割および情報伝達反応を、各サブタイプ選択性拮抗薬、百日咳毒素の膀胱収縮反応におよぼす影響をみることにより検討した。 【方法】雄SDラット(200-220g)を2群に分けた。1)百日咳毒素(PTX)処置群:PTXを100μg/100g体重静注2)対照群:同量の生食水を静注。4日間飼育後、膀胱を摘出し平滑筋条片を作製し、37℃で酸素化したKrebs-Henseleit液で満たした筋浴槽内に懸垂固定した。各濃度のM_1,M_2,M_3サブタイプ選択的拮抗薬(それぞれpirenzepine,methoctoramine,4-DAMP)で前処置後、10^<-8>〜10^<-2>Mのアセチルコリン(Ach)を累積的に加え収縮反応を等尺性トランスジューサ-を解して記録した。 【結果】PTX群では、対照群に比べ自発収縮反応が増加した。両群ともAchによって用量依存性的に収縮したが、最大収縮力、ED_<50>は両群で有意差なかった。M_1〜M_3サブタイプ拮抗薬によりAch用量反応曲線は用量依存性に右方移動した。収縮抑制効力は4-DAMP>methoctoramine>pirenzepineの順で、両群で有意差はなかった。 【結論】ラット膀胱平滑筋は主にM_3サブタイプを介して起こる事が示唆された。PTXはAch収縮反応、選択的拮抗薬による収縮抑制には影響しなかったが自発収縮が大きく、PTX感受性G蛋白は膀胱緊張の安定化に貢献しているものと思われた。
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