Project/Area Number |
06771366
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
中村 靖 順天堂大学, 医学部, 助手 (70207926)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 妊娠 / SLE / 自己抗体 / 経胎盤的物質輸送 / 胎盤 |
Research Abstract |
本研究期間に当科で管理したSLE合併妊娠は11例あり、このうち全例が抗核抗体陽性、4例において抗SS-A抗体陽性、2例において抗リン脂質抗体陽性であった.治療法としては全例においてステロイド投与がおこなわれ、血栓傾向の所見や既往のある4例に対して低用量アスピリン投与が、また抗体除去を目的として3例において血漿交換療法・免疫吸着抗体除去療法をおこなった. これらの症例を対象として、臍帯穿刺による胎児採血を行うべく計画したが、11例中4例は出血傾向の恐れなどの母体病変悪化の恐れため、2例は胎児仮死のため、残り5例はインフォームド・コンセントが得られず、胎児採血を行うことができなかった.このため研究の主体は血漿交換療法による母体血中抗体の消長の検討、分娩時の臍帯血中の各種抗体価の測定、および胎盤の病理学的検索となった. 血漿交換療法前後での血中抗体価の比較では全体として軽度の減少傾向をみたが、一定した結果ではなかった.しかし、習慣流産、死産の既往のある症例で生児を得るなど、臨床的成果は得られた.分娩時の臍帯血中抗体価については、母体血中抗体価とのあいだに正の相関を認め、以前の検討結果を追認する形となった.胎盤については11例中全例においてホルマリン固定後、パラフィン封埋標本を作製し、4例について凍結標本の保存をおこなった.ホルマリン固定標本の検討では今までの知見と同様の所見が得られたのみで、新しい知見は得られなかった.凍結標本については現在蛍光抗体法による染色の準備中の段階である. またこれらの研究に付随するものとして抗SS-A抗体陽性症例における、胎児直接心電図検査も試みた. なお、今回の症例中、明らかな新生児ルーブスの臨床症状が現れた者は存在しなかった.
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