Project/Area Number |
06771422
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
一宮 一成 大分医科大学, 医学部, 助手 (70223112)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ラセン靱帯 / 免疫組織化学 / 内リンパ水腫 / エンドトキシン / Na^+,K^+-ATPase |
Research Abstract |
1. モルモットの内リンパ管を閉塞して内リンパ水腫を作成、免疫組織化学的に前庭の観察を行ったが、水腫耳の前庭には酵素の染色性に明らかな変化はみられなかった。これは我々が先に報告した内リンパ水腫耳の蝸牛におけるラセン靱帯の変化とは対称的な結果であった。ラセン靱帯の変化が実験的内リンパ水腫の病理組織学的、生理学的変化に関係している可能性が、より強く示唆された。 2. インフルエンザ菌より抽出したエンドトキシンをモルモット中耳腔内に注入、実験的に中耳炎を作成し、蝸牛の観察を行った。ヘマトキシリン・エオジン染色では鼓室階内に軽度の炎症細胞浸潤がみられたのみで、内リンパ水腫等、有意な変化は認めなかった。しかし、免疫組織化学的にはラセン靱帯にIgGの染色性増強、ビメンチンの染色性低下を認めた。この結果よりラセン靱帯が中耳の炎症に伴って変化している可能性が示された。 3. 蛋白抗原であるKeyhole limpet hemocyaninにて全身感作を行った後、同抗原を蝸牛内に注入し、内耳炎を作成した。内耳全体にわたって高度の炎症細胞浸潤がみられたが、内リンパ水腫は全例にはみられなかった。免疫組織化学的にはラセン靱帯にIgGの染色性増強、ビメンチンの染色性の低下を認めた。また、内リンパ管を閉塞による内リンパ水腫モデルとは異なった所見として、II型線維細胞に存在するNa^+,K^+-ATPaseの染色性の低下がみられた。 以上の研究結果からはラセン靱帯と内リンパ水腫との関係を明らかにすることはできなかったが、同部位がさまざまな刺激に応じて変化していることがわかった。これはラセン靱帯が蝸牛の恒常性維持に関与しているとする我々の仮説を支持する所見と考えた。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)