Research Abstract |
ヒトの内因性ぶどう膜炎の動物モデルである,実験的自己免疫性ぶどう膜炎(EAU)が、眼特異抗原を免疫することにより、抗原提示細胞上の主要組織適合抗原(MHC)と結合した抗原が、特定のT細胞レセプターを持つヘルパーT細胞を活性化し、眼の網膜ぶどう膜に炎症を惹起するものである。これまでは,1個のペプチドは,1種類のMHCのクラスII分子にのみ結合すると考えられてきた(MHC拘束性).本研究では,MHCへの結合部位が1個しかないと考えられるような,小さなペプチドを用いて,異なる免疫遺伝学的背景を持つラットで,EAUあるいは免疫反応が惹起されるか検討した.眼特異抗原であるIRBPとその合成ペプチドR16を免疫したところ,IRBPは,ラットのLEW(RT1^l),WKAH(RT1^k),W/M(RT1^k),SDJ(RT1^u),LEJ(RT1^j),BUF(RT1^b)にEAUを発症し,TO(RT1^u)に発症しなかった.また,R16はLEW,WKAH,W/M,LEJ,BUFにEAUを発症し,SDJ,TOに発症せず,MCH拘束性を越えた,MHCへの結合性を有するペプチドが存在することがわかった.さらに,ラットのMCHに対するRT1-BおよびRT1-Dに対するモノクローナル抗体を用い,免疫反応の抑制を調べたところ,抗RT1-B抗体により抑制され,異なるRT1-b分子に同じ抗原が結合できることがわかった.今後は,アミノ酸を置換したアナログペプチドを用い,さらに詳細に検討したい.
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