角膜上皮および内皮バリアー機能の調節機構に関する研究
Project/Area Number |
06771528
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ophthalmology
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
横井 則彦 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60191491)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 角膜上皮 / 角膜内皮 / バリアー機能 / カルシウムイオン / 温度 / カドヘリン |
Research Abstract |
1.角膜上皮細胞層、内皮細胞層に対する低温・Ca^<2+>-freeの影響の検討 ブタ角膜内皮および上皮のバリアー機能をGd-DTPAをトレーサーとして検討した。デキストランを含む燐酸溶液で、角膜に水の出入りのない条件を作り、この条件で、Gd-DTPAを加えて角膜内へのGd-DTPAの取込み量を核磁気共鳴装置を用いて測定し、プロトンT1緩和時間の変化から角膜上皮、内皮細胞層のバリアー機能を評価した。さらに、角膜上皮および内皮細胞の形態変化を走査型電子顕微鏡を用いて検討した。角膜内皮のバリアー機能は生体温度(35℃)では、Ca^<2+>を除くことにより低下し、膨隆した形態をとるが、低温ではCa^<2+>の有無によるバリアー機能および形態の変化は見られず、生体温度におけるよりもバリアー機能が2.8倍亢進することが判明した。 2.培養角膜上皮細胞、内皮細胞における低温・Ca^<2+>-freeの条件の影響の検討 低温であればCa^<2+>-freeでも内皮細胞の形態およびバリアー機能が正常に保たれる現象が培養細胞でも起こりうるか否かについて検討した。RCGM培地を用いて培養した家兎角膜の上皮細胞、TCM199で培養した実質細胞および内皮細胞を用いた。各細胞をCa^<2+>-freeDMEM培地に移し、37℃および4℃の条件で培養を続け、位相差顕微鏡で経時的に観察した。その結果、上皮細胞の37℃の培養では、細胞膜に変化を伴う歯車様の細胞が出現したが、4℃の培養では形態に変化は見られなかった。内皮細胞でも37℃の培養で歯車様の細胞が出現したが、その数は少なく、4℃の培養では形態変化は見られなかった。実質細胞では、37℃でも4℃でも形態の変化は見られなかった。角膜の培養細胞でも4℃では、Ca^<2+>-freeの影響を受けず、37℃でのCa^<2+>-freeによる形態変化は上皮細胞で顕著であった。 3.バリアー機能と細胞接着分子との関係の検討 Ca^<2+>依存性細胞接着分子であるカドヘリンに対するモノクローナル抗体を用いた免疫組織学では、家兎角膜上皮においては、E-カドヘリンの存在が証明された。カドヘリンの発現とCa^<2+>との関係について今後の検討課題である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)