腺様嚢胞癌細胞によるヘパラン硫酸プロテオグリカン分泌機構の細胞生物学的解析
Project/Area Number |
06771579
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Morphological basic dentistry
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
木村 信 新潟大学, 歯学部, 助手 (80251825)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ヘパラン硫酸プロテオグリカン / 唾液腺腺様嚢胞癌 / 細胞培養 |
Research Abstract |
1.ヘパラン硫酸プロテオグリカンのコア蛋白質の検出 ACC培養細胞を^<35>S硫酸または^3Hロイシンで標識培養した後、培養上清と細胞層の両方から免疫沈降法によってヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)を回収し、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動/フルオログラフィーによって検出した。その結果、^<35>S硫酸と^3Hロイシンのどちらでも培養上清と細胞層の両方でゲルの界面にバンドが観察され、ACC細胞が基底膜型HSPGを生合成・分泌していることが生化学的に示された。また、亜硝酸分解により、^<35>S硫酸標識が消失し^3Hロイシン標識バンドの分子量が470kDaに減少した。この分子量は既知の基底膜型HSPGコア蛋白質の分子量と一致した。このことから、ACC細胞の産生するHSPGは各種正常細胞のそれとはほぼ相同であることが示唆された。 2.ヘパラン硫酸プロテオグリカンの経時的変動 ^3Hロイシンを用いて上述と同様の標識実験を、細胞の継代後8日間48時間毎に行い、HSPG分子の経時的変動を追跡した。経時的に、細胞あたりの相対量を定量すると、細胞層では培養開始後4日目に急激に増加した後減少したが、培養上清では4日目以降に増加した。すなわち、HSPGの生合成と分泌の時相のずれがしめされた。またパルス/チェイス法によって、GAG鎖が付加される前の前駆体と考えられるコア蛋白質のバンドが検出された。このバンドはチェイス開始30分後に減少し始め、1時間でほとんど検出されなくなり、3時間後には消失した。このことから、GAG鎖の付加はコア蛋白質合成後1時間以内にほぼ完了すると考えられた。さらに、24時間のチェイスを行った結果、培養上清にHSPGの分解産物を考えられる315kDaのバンドが検出され、これは経時的に増加していった。この結果から、ACC細胞が産生したHSPGはこの細胞自身によって分解されていると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
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