Project/Area Number |
06771616
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Morphological basic dentistry
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
松尾 雅斗 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (30190416)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 歯周組織 / 歯周炎 / 微小循環 / 血管構築 / 走査型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
慢性歯周炎時の微小血管構築と歯槽骨の変化を血管鋳型法で観察し、以下の知見を得た。 1)歯肉血管網の変化:炎症によって上皮が深部に向かって増殖を始めると、内縁上皮(付着上皮+歯肉溝上皮)直下の平坦で密な血管網は上皮によって寸断され、血管網はほとんどの場合腎糸球体様の血管網に変化していた。内縁上皮直下と歯根膜血管網の境界部は、正常歯根膜ではスムースに経過する明瞭な境界線をもって歯根膜の血管網と区別できる。しかし炎症の波及により、炎症防御のバリアーとなる歯頚部歯根膜は破壊され、この部分では歯肉と歯根膜の境界は明瞭でなかった。さらに歯周炎が進行すると上皮付着に一致した特殊な血管網の境界線は消え、さらに歯槽頂縁は大きく吸収されて炎症の波及したことを示していた。 2)歯根膜血管網の変化:歯根膜血管網では網目状の平坦な正常構造がくずれ、歯根側に配列する、動脈性毛細血管と静脈性毛細血管が吻合しヘアピン状、U字状のループを形成していた。 3)歯槽骨の改造現象と血管網:歯槽骨表面は、溶解されたように不規則に吸収し、ハウシップ窩も観察された。歯槽骨壁のフォルクマン管の辺縁は鋭くなっているのが観察されたが、これは骨髄側からの背後吸収によるもので、歯槽骨は徐々に薄くなり最終的には消失することが考えられる。根管中隔部の歯槽骨は大きく吸収し粗造で軽石状の骨梁が見られた。歯槽中隔の頂部の骨はすべて吸収され上方にある根分岐部の歯根膜の血管網と歯槽中隔内の骨髄の血管とは直線的に走る多数の血管によって結ばれていた。これらの血管は骨髄の血管が歯槽中隔の吸収によって歯根膜に侵入し、歯根膜の血管網と入れ替わったもので炎症性の血管が正常な血管網と置換されたことが示唆される。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)