オステオカルシン遺伝子プロモーターのE-boxに結合するHLH型転写因子の研究
Project/Area Number |
06771623
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional basic dentistry
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田村 正人 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (30236757)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 骨芽細胞 / オステオカルシン / 転写因子 |
Research Abstract |
ヘリックス-ループ-ヘリックス(HLH)型因子は,核内で転写制御を介して細胞の分化方向の決定を行う例が知られている.骨芽細胞分化においても,これら因子の関与が推測されたが,その本体は明らかにされていなかった.本研究では,骨芽細胞で特異的に産生されるオステオカルシン(OC)遺伝子のプロモーターに着目し,以下の結果を得た.(1)ld-1の発現ベクターをROS17/2.8細胞にトランスフェクトすると,OCのプロモーター活性が低下することを見いだし,種々の変異を用いた解析よりldに応答するE-boxを含む領域OCE1を同定した.(2)ゲルシフトアッセイよりROS17/2.8細胞の核抽出物にはOCE1に特異的に結合するタンパクが存在し,GST-ld-1タンパクの添加によりこの結合が減少した.μE5+μE2のオリゴヌクレオチドを加えても競合は見られず,E12/E47とは異なる因子の結合が示唆された.(3)OCE1への結合はC3H10T1/2細胞の核抽出物では見られないが,rhBMP-2処理で骨芽細胞への分化に伴い,OCE1への結合が観察された.(4)OCE2,3ならびに4のオリゴヌクレオチドを過剰に加えても競合は見られなかった.(5)DNaselフットプリント法から,OCE1部位におけるDNA-タンパク相互作用の存在が考えられた.(6)OCE1配列に結合するタンパクが,遺伝子産物として存在していることがサウスウエスタン法によって明らかとなった. 本研究により,OC遺伝子の骨芽細胞における発現にはプロモーターのOCE1配列を認識する因子が寄与していることを明らかにすることができた.おそらくこの因子は,骨芽細胞の分化に関与するHLH型転写因子群の少なくともその一つと考えられ,今後骨芽細胞の分化や骨形成の機構を解明していく上で極めて重要であると考えられた.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)