1,25(OH)_2D_3受容体による軟骨細胞の分化制御機構の解明
Project/Area Number |
06771626
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional basic dentistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中島 和久 大阪大学, 歯学部, 助手 (90252692)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1994: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 軟骨細胞 / 細胞分化 / 無血清培養 / 甲状腺ホルモン |
Research Abstract |
1,25(OH)_2VD_3(VD)が欠乏すると成長板では肥大化層の拡大と石灰化不全が起こる。そこで本研究は、VDによる軟骨細胞の分化制御機構の解明を目的として以下の実験を行った。 1)従来の軟骨細胞培養系では、成長板軟骨細胞は血清の刺激によって増殖して肥大化する。軟骨細胞の肥大化の制御機構をより詳細に追求するために、軟骨細胞の無血清培養系を開発した。培養液にbasic FGF,transferrin,hydrocortisoneおよびlipoprotein fractionの4種類の因子を添加すると、軟骨細胞は分化形質を失わずに増殖した。 2)培養液に4種類の因子を添加して培養しても軟骨細胞は肥大化しなかった。この培養系から全ての因子を除いて甲状腺ホルモンを添加すると。軟骨細胞は速やかに肥大化した。 3)肥大軟骨細胞のマーカーであるアルカリフォスファターゼの発現を検討した。甲状腺ホルモンはアルカリフォスファターゼ遺伝子の発現を促進した。 4)軟骨細胞の機能を調節することが知られている副甲状腺ホルモンやbFGFは甲状腺ホルモンの肥大化促進作用を抑制した。 5)この培養系から全ての因子を除いて1,25(OH)_2VD_3を添加しても軟骨細胞は肥大化しなかった。甲状腺ホルモンと共に添加すると1,25(OH)_2VD_3は甲状腺ホルモンの肥大化促進作用を抑制した。一方、24,25(OH)_2VD_3は肥大化を抑制しなかった。 上記の結果は軟骨細胞の肥大化は甲状腺ホルモンによって制御されていること、および、1,25(OH)_2VD_3は甲状腺ホルモンの働きを抑制することによって作用することを示唆している。今後、甲状腺ホルモンの肥大化促進作用の分子機構を解明すると同時に、1,25(OH)_2VD_3の作用発現機構を追求する。
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Report
(1 results)
Research Products
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