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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
細胞内Ca過剰蓄積による咬筋細胞の障害メカニズムをその膜系機能に対する効果から明らかにすることを目的とした。 ニュージーランド白色家兎(2-2.5kg)の右則の咬筋に1%bupivacaineを,対照として左側咬筋に0・9% salineをそれぞれ投与し,1,3,5そして10日後に摘出した左右咬筋から筋小胞体(SR)と筋形質膜(SL)をそれぞれ分離した。 1.oxalate存在下,SRのCa uptake velocity とCa-ATPase活性を測定した場合: coupling ratioはbupivacaine投与3日後に著明に低下した。 2.oxalate非存在下,bupivacaine投与3日後に調製分離したSRでは: (1)定常状態Ca uptakeとCa permeabilityが低下した。 (2)これらの低下は,verapamil(0.125mg/ml)0.5mlあるいはCANPinhibitor(0.5mg/ml)0.6mlを予め処置することによって抑制された。このverapamilの効果はoxalate存在下,bupivacaine投与3日後の咬筋ホモジネートCa uptakeにおいても再現された。 (3)^<32>P遊離速度(V),総リン酸化中間体(EP)量およびturnover number(V/EP)は不変であった。 3.bupivacaineはin vitroで: (1)濃度依存性(0.5-50mM)にSR定常状態Ca uptakeを低下させた。 (2)この低下は,SRのCa放出channelを閉口させる条件のryanodine(750μM,10分間処置)およびprocaine(2mM)で抑制された。SLのNa,K-ATPaseとNa-Ca exchange活性はSRのCa uptakeと同様,bupivacaine投与3日後に著明な低下を示した。bupivacaineのSL機能に対する効果もverapamilで抑制された。 bupivacaineのSR Ca輸送を低下させる効果は,Ca permeability,oxalate entryそしてCa pump unitに関連するATPase反応段階とは独立したものであり,gate channelからのCa放出増大に一部依存している可能性がある。また,SLの酵素および交換体タンパク機能もbupivacaineによって抑制を受けるがSRの場合でもSLの場合でも,L-型channelを介するCa流入の増大とそれにともなうCANPの活性化がbupivacaineによる骨格筋機能障害にリンクしていることが示唆さた。
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