Research Abstract |
本学20年間における画像形態学的分類による線維性骨疾患には50の疾患が含まれ,X線画像診断,病理組織診断,臨床診断の3者による総合診断から総数1267症例に絞られた。 突発性骨硬化症,内骨症:281症例,単純性骨嚢胞に類するもの:141症例,線維性骨異形成症:74症例,線維性骨腫,骨中心性骨種,二次性骨種:53症例,骨形成線維腫,セメント質形成線維腫,セメント質-骨形成線維腫:38症例,セメント芽細胞腫:13症例,その他paget's,12症例,骨芽細胞腫4症例,褐色腫,が認められた。これらの確定診断において,X線画像による形態学的特徴を重視した。 顎骨体領域に生じる線維性骨疾患すべてを1つのグループと考え,これに画像形態学的検討を加えた。画像形態から周囲骨に反応性骨変化の有無・反応様式,骨膨隆の程度・位置,骨皮質の肥厚・菲薄化,他の構造物への圧迫所見,内部構造(石灰化物)の分布等からTumorous lesionとして,Cemento-ossifying fibroma,Osteoblastoma,Central periodontoma, Dysplastic lesionとして,Fibrous dysplasia,Fibro-osteomaの一部,Osseous keloid,Reparative lesionとして,Simple bone cyst,Enostosis,Osteosclerosis,Bone scar,Fibro-osteomaの一部が含まれる。Non-classified lesionには1)内部構造や2)周囲骨反応様式からはdysplasticな様相を呈するが3)病巣全体の外形は限局し4)膨隆・圧迫所見を示しtumorousな様相もうかがえる。いずれにせよ1)〜4)の項目で相反するものが限段階でのNon-classified lesionとなる。内部構造では,すりガラス状と斑紋状の識別が疾患整理の鍵である。病巣発現部位では,下顎枝に限局するものはFDに限られ,前歯部を含むとCementum系疾患の頻度は増す傾向にある。
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