Project/Area Number |
06771724
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Conservative dentistry
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大岩 美樹 長崎大学, 歯学部, 助手 (70231868)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 重合収縮 / 剪断接着強さ / 低粘性レジン / 窩壁適合性 / 積層塗布法 |
Research Abstract |
現用のコンポジットレジンでは重合収縮は避けられず、それはレジンの歯質との接着ならびに窩壁適合性に大きな影響を及ぼしている。一方、数多くの接着に関する研究では、平坦な被着面上にコンポジットレジンと接着しないリングやモ-ルドを用いて試料が作製されているので、接着界面には実際の窩洞内と異なった重合収縮力が作用し、得られた測定値と臨床との関連性には疑問がもたれるところである。 そこで、本研究では、より臨床に即した重合収縮の影響する試験法(エナメル質と象牙質の2枚の切片の接着による方法)を用いた接着強さの測定、ならびに窩壁適合性を改善するといわれている低粘性レジンを効果的に用いる方法について検討した。 その結果、側壁部にテフロンモ-ルドを用いた場合および歯質の切片を用いた場合の剪断接着強さ(各群N=10)は、Liner BondII使用群でそれぞれ18±4MPa、21±5MPa、Photo Bond使用群で9±3MPa、12±5MPaであり、側壁への接着の有無により窩底部の剪断接着強さに有意差は認められなかった。この窩洞の大きさ(直径4mm深さ2mm)程度であれば、接着試験において側壁部にテフロンモ-ルドを用いても大きな差異はないことが示唆された。 他方、低粘性レジンを備えたLiner Bond Systemを用い、塗布する量の窩壁適合性に及ぼす影響について、直径4mm、深さ2mm(エナメル質1mm、象牙質1mm)の窩洞で検討したところ、窩底部においては塗布厚さ(約80〜400μm)にかかわらず良好な適合であった。一方、窩縁部エナメル質においては、その厚さが100μm程度以上になると色素侵入も軽度となり窩壁適合性の向上する傾向が得られた。この厚さはほぼ2度塗りに相当する量であるが、臨床においては低粘性レジンは窩底部に流れやすく、窩壁全体に均一に塗布するのが難しい。このため第1層を塗布、光重合後に第2層を塗布する積層塗布法が推奨される。
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