Research Abstract |
糖尿病専門医によりインスリン非依存型糖尿病と診断され治療を受けている患者23名について口腔内診査を行った。probing depth(平均3.02mm,2.19-5.09mm),probing時の出血部位数の割合(平均34%,2-66%),O'Learyのplaque control record(平均90%,47-100%),歯槽骨残存量(平均74%,45-95%)であり、これらと糖尿病罹病期間(平均11年,1-25年),糖尿病コントロール状態:Hbalc(平均7.0%,4.5-9.3%),合併症の有無等の糖尿病の状態についてSpearmanの順位相関係数を用いて統計的に比較検討を行ったが,有意な相関は認められなかった。 さらに,23名の糖尿病患者のうち歯周治療を行った患者から抜歯,歯周外科の際に得られた歯肉を用いてヘパラン硫酸の分布について免疫組織学的に検討を行った。また全身疾患をもたない患者からも同様にして歯肉を得,比較検討を行った。その結果,光顕レベルでは,上皮組織,結合組織,内皮細胞において,全身疾患の無い患者と糖尿病の合併症も無くコントロールの良好な患者では同様の弱い陽性所見を示したが,糖尿病の罹病期間も永くコントロールの不良な患者では,比較的強い陽性所見を内皮細胞に認める傾向があった。また糖尿病患者においては,炎症の存在により染色性に差があるようにおもわれた。
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