Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Research Abstract |
歯周組織構成細胞である歯肉線維芽細胞(HGFs)はそれ自身、歯周炎における炎症の波及や進展に関与するであろういくつかの因子やサイトカインを産生する。その中でも特にIL-1α,IL-6産生に及ぼす制御機構を明らかにするために抗炎症性サイトカイン(IL-4,IFN-γ)、ダルココルチコイド(Dexamethasone)による影響を検討した。健康な歯周組織より歯肉片を採取し、継代培養後4〜6代目のHGFsを24穴プレートで6日間培養し、その後ヒト・リコンビナントIFN-γ(rhIFN-γ:0.1〜10000U/ml),rhIL-4(0.01〜10ng/ml)でプライミング刺激(前刺激)、未刺激の条件下で24時間培養し、rhIL-1βの単独添加およびrhIL-4,rhIFN-γとの同時刺激でさらに24時間培養した。また7日目にDexamethasoneとrhIL-1β同時刺激により24時間培養した。その後、各々の培養上清中のIL-6量および細胞画分中のIL-1α量をELISA法にて定量した。その結果、rhIL-1βによるIL-1α産生誘導はrhIFN-γ(1000U/ml)のプライミング刺激により増強したが、同時刺激の条件下では産生量にほとんど変化は見られなかった。これに対しrhIL-1β刺激によるIL-6産生誘導はrhIFN-γの同時刺激でわずかに増強された。rhIL-4はプライミング刺激あるいはrhIL-1βとの同時刺激のいずれにおいてもIL-1α,IL-6の産生を抑制する傾向が見られた。またrhIL-1βによるIL-1α,IL-6の産生誘導はDexamethasoneとの同時刺激でほぼ完全に抑制された。以上より、歯肉炎症の進行や歯槽骨吸収に関与すると考えられるIL-1αやIL-6などのHGFsによる産生をTリンパ球由来のこれらサイトカインやグルココルチコイドが制御し、局所免疫応答を調整している可能性が示唆された。
|