Project/Area Number |
06771766
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Conservative dentistry
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
口羽 一弘 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (50214961)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | Scidマウス / 炎症性細胞 / サイトカイン |
Research Abstract |
本研究では、歯髄の免疫防御機構を解明することを目的として、免疫機能の欠如したマウスを用い、マウス歯髄の炎症に対する防御機能を経時的な病理組織学的変化から解明した。特に本研究では、炎症性細胞の細胞間相互作用において重要な役割を担うサイトカインの変化に着目し、本マウスのサイトカイン産生細胞の動態について解析を行った。 実験方法としては、先天性免疫不全のScidマウスおよび正常免疫機能を有する対照群のBALB/cマウスの臼歯歯髄を口腔常在菌により自然感染させた。その後、1,3,5および7日後にマウスを屠殺して、病理標本を作製する。HE染色により病理組織学的検索を行い、免疫染色によりサイトカイン産生細胞の動態を検索した。サイトカインは、IL-1α、βおよびTNFα、βを検索対象とした。 両マウスともに非感染歯髄では、炎症性細胞およびサイトカイン産生細胞の浸潤は観察されなかった。Scidマウス術後1日経過症例では、血管の充血および少数の炎症性細胞、IL-1α、TNFα産生細胞の浸潤も観察された。術後3-5日経過症例においては、1日経過症例時よりも炎症が拡がり血管の拡張および充血、多形核白血球、マクロファージの浸潤またIL-1α、TNFα産生細胞の浸潤も炎症歯髄中に観察された。術後7日経過症例では、歯冠部歯髄は殆どが壊死に陥り炎症歯根部歯髄に炎症性細胞、サイトカイン産生細胞浸潤が観察された。同時に行った対照群のBALB/cマウスでは、病理組織学的およびサイトカイン産生細胞の動態については、有意な差はなかった。また全期間を通じて、IL-1β、TNFβ産生細胞は観察されなかった。 今回の結果より、炎症の推移は、歯髄内に浸潤してきた炎症性細胞、サイトカイン産生細胞の数に相関している可能性が考えられる。歯髄の炎症進行が急激であったためリンパ球浸潤による生体防御機能は作動しないものと考えられる。
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