Research Abstract |
本研究では,コンピュータを用いて陶材の微粒を繰り返し築盛することによって所定の形状を構築するシステムを開発するための基礎的な研究を行った.実験は陶材吐出装置,水噴射装置,XY軸ステージ,制御用コンピュータから構成される装置を試作し,平板状に自動築盛することを試みた.築盛条件を種々に変えて自動築盛を行った結果,本装置のように陶材粉末と水をワーク(築盛対象)上の局所に供給し,泥化させて盛り上げていく方法では水量が築盛体の可否を決める重要な因子の一つであることが明らかになった.すなわち,築盛時の水量が少ないと吐出された陶材粉末の微粒の形が残ってしまい,築盛体の表面も粗造になることが分かった.逆に水量が多過ぎると微粒の形は消え,表面も滑らかになるが,陶材が流されてしまい,形が崩れてしまうことが分かった.本装置では陶材粉末に対して一定量の水を供給しながら築盛しているが,中心部や辺縁部といった築盛する部位,あるいは築盛体の厚みなどに応じて水量を調整する必要があるものと思われた.さらに水量だけでなく,ステージの走査方法やコンデンスの自動化についても併せて検討する必要があると考えられた.また試作装置では各装置の位置関係から,陶材を厚く築盛していくに従ってワーク上における陶材の吐出位置と,水の射出位置がずれてくるという問題が生じた.しかしながら装置を改良することは可能と思われ,コンピュータによる陶材の自動築盛の可能性はあると期待される.
|