Research Abstract |
私はインプラント埋入後の治療機転を加速させる試みとしてPEMF_SとCCEFの応用について実験的検討を行っている.実験は,ウサギの大腿骨遠心端部にPOIインプラントを埋入し,同部をPEMF_SまたはCCEFで刺激した.PEMF_S刺激の期間は1週間と2週間,刺激条件はパルス幅25μsec,周波数100Hzで,磁場強度が0.2,0.3mTの2因子で1日8時間とした.CCEF刺激は2週間の期間中,刺激条件は1日4時間ならびに8時間で行った.実験の評価は非脱灰研磨標本を1.Contact microradiography(CMR),2.蛍光顕微鏡によるラベリング像の観察,3.塩基性フクシン・メチレンブルー重染色,4.画像解析(骨接触率,骨面積比率)について行った.結果を以下に記す. (1)CMRの観察で,刺激を与えない群(以下,対照群)は新生骨が粗であったが,両刺激のいずれかを与えた群(以下,実験群)は新生骨が比較的密で,新生骨梁も太く観察された. (2)蛍光ラベリング像では経時的にすべての群で既存骨側からインプラント体表面に向かって新生骨が形成されていた.また,実験群は対照群に比較して,新生骨の形成が認められた. (3)塩基性フクシン・メチレンブルー重染色では,対照群はインプラント体と新生骨の接触はごく一部だったが,実験群はインプラント体と新生骨の接触は多くの部分で認められた. (4)画像解析の結果,PEMF_S刺激では,1週目より新生骨形成促進効果が確認され,2週目で実験群の骨接触率と骨面積比率は対照群の約2倍になった.CCEF刺激では,2週目で実験群は対照群に比較して骨接触率は約1.7倍,骨面積比率は約1.5倍であった. (5)(1)〜(4)の結果からPEMF_S刺激およびCCEF刺激のインプラント体周囲における新生骨形成促進効果が認められ,両刺激法の口腔インプラント法への応用の可能性が示唆された.
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