Project/Area Number |
06771897
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Surgical dentistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長坂 浩 東北大学, 歯学部, 助手 (70217983)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 顎関節 / グリコサミノグリカン / 咬合変化 |
Research Abstract |
関節軟骨基質に存在するグリコサミノグリカン(GAG)は組織に弾性と硬さを与え圧縮力に抵抗する働きを持つことから、その分布は関節内の生力学的環境を反映するものと考えられる。顎関節に加わる負荷として、咬合および咀嚼筋活動は最も重要な因子と言われている。そこで本研究では、実験的に垂直的咬合低下を付与したラット下顎頭軟骨におけるGAGの局在性の変化について免疫組織化学的に検討した。 材料は4週齢のWistar系雄性ラットで、無処置群(対照群)と上下顎切歯および上顎臼歯を歯頚部まで削合した咬合低下群の2群に分類した。両群とも固形飼料を用いて飼育し、実験開始後1、2、3および4週目に、全身麻酔下で4%パラホルムアルデヒド固定液を用い潅流固定し、両側顎関節部を摘出した。摘出物を浸漬固定、10%EDTAを用い脱灰後、スパーレジンに包埋し、下顎頭の矢状断切片を作製した。トルイジンブルー染色、アルシアンブルー染色ならびに免疫染色により下顎頭軟骨の前方、中央、後方の3領域を観察し比較検討した。免疫染色には2-B-6および3-B-3抗体(生化学工業)を用いた。 その結果、咬合低下群1週目では対照群と比較し、前方部の肥大軟骨層の厚径が菲薄化し、免疫抗体に対する反応も低下した。一方、後方部の軟骨層の厚径は増大し、線維層より下層の細胞周囲基質に強い免疫抗体反応が、細胞間基質に弱い反応が認められ、特に増殖層での2-B-6に対する反応性が増大した。その後経時的に前方、後方とも対照群に近似する傾向を示したが、咬合低下4週目でも前方部の軟骨層厚径は減少していた。このような下顎頭軟骨の前方部と後方部における反応の相違は、下顎頭表層に加わる負荷部位や生力学的大きさが咬合低下によって変化することを示すものと考えられた。
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