Research Abstract |
現在、顎顔面領域における口腔外科手術後の神経欠損に対する治療には自家神経移植が行われている。当研究施設において、1974年より下歯槽神経移植に関する実験的、臨床的研究を行い、口腔外科領域における自家神経移植の臨床的有用性について実証してきた。(以上の結果は、H6年11月、第2回国際病態生理学会、-京都-において発表した。) 又、1985年より継続して行っているポリグリコール酸線維を用いた人工神経架橋の実験より、その内部構造についての興味ある知見を得た。(以上の結果は、H6年、4月、日本口腔科学会総会,-別府-,H6年11月、日本口腔外科学会総会,-名古屋-において発表した。) 本年度の内容は、前出の内部構造に付加する神経栄養因子が、実際にの程度、神経再生促進作用があるかを調べる事を、目的とした。内部構造に凍結乾燥神経,外部構造にシリコーンチューブを用いた実験において、シュワン細胞基底膜内面に存在するラミニンによる神経再生促進作用が示唆された。しかしながら、シリコーンチューブを外部構造とした為、神経再生路における体液環境の低下により、術後感染例が多く認められた。 以上の事より、人工神経架橋の外部構造においては、体液環境が可能な物質が必要と考えられた。
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