Research Abstract |
(目的) 歯科処置時の身体的,精神的な刺激は,患者の血圧や心拍数などの循環変動に様々な影響を及ぼす。一方,これら血圧や心拍数などの循環系のパラメーターは1日24時間のスパンの中で絶えず変化し,リズムを形成している。そこで,本研究は歯科処置時における循環系のパラメーターの変化は,患者の日内変動幅の中でどうような位置を占めるか,また,その患者の日内リズムとどのような関係があるかを知る目的で行った。 (方法) 対象者はすべて歯科処置が予定されているものとした。歯科処置予定前日の歯科処置予定時間より26時間以上前に来院させ,A&D社製24時間携帯型自動血圧計TM2425を装着し,家庭内または職場にて24時間のの血圧値,心拍数の測定を行った。測定間隔は昼間,夜間ともに30分間隔とした。また,歯科処置予定当日は自動血圧計を装着させたまま来院させ,歯科処置中の血圧値心拍数の測定を行った。 歯科処置は、すべての症例において局所麻酔下における抜歯処置とした。 (結果) 1.24時間血圧平均値より外来血圧値の方が有意に高かった。 2.Non-Dipper(24時間血圧における夜間血圧低下率が10%未満)を示す者に歯科処置時の血圧上昇がみられた。 3.早朝における血圧上昇が大きい者に歯科処置時の血圧上昇がみられた。
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