Project/Area Number |
06772027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
矯正・小児・社会系歯学
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
小澤 浩之 昭和大学, 歯学部, 助手 (00224220)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 矯正力 / プロトオンコジン / c-fos / 脳 / 痛み |
Research Abstract |
【目的】矯正的歯の移動が、炎症反応を本態とする事象であることが明らかにされて久しいが、それに伴う疼痛の脳内認識のメカニズムは十分解明されていない。そこで本研究では、侵害刺激によりプロトオンコジンのひとつであるc-fos陽性細胞が脳に発現することに着目し、矯正的刺激に伴うFOS蛋白の増加分布を脳幹の広い範囲にわたって経時的に検索し、矯正的刺激の脳内認識について新知見を得ることを目的とした。 【方法】実験には、Wistar系雌性ラット(体重200g)を用い、ウレタンαクロラゾール麻酔下、上顎左右切歯にステンレスワイヤーで、100g,400gの側方拡大力になるよう調整したspringを装着し50分、1.5、2.5、3.5、8、12時間後に潅流固定を行った。また、ワイヤー装着時及び装着30分前にindomethacinを投与し、3.5時間後に固定を行った。いずれも摘出脳幹の延髄から中脳にわたって凍結切片作成後、FOS抗体を用いたABC法により、FOS陽性細胞の分布を免疫組織化学的に検索した。 【結果】FOS陽性細胞は、100gの矯正力では3時間後、400gでは50分後に出現し、三叉神経脊髄路核尾側亜核、中間亜核、中脳中心灰白質、外側網様核などに分布していた。いずれも5時間をpeakとして減少を示した。またpeak時の発現数は100gに比べて400gの方が多かった。一方、indomethacin投与によってFOS陽性細胞は明らかに減少した。矯正力を与えない対照群と、短時間矯正力を与えた群では、FOS陽性反応はなかった。 【結論】矯正的刺激により、痛みに関与する中枢神経細胞にFOS出現を伴う代謝変化が起こることが明らかとなった。しかもindomethacin投与によりFOS陽性細胞の出現が抑制されることから、プロスタグランディン関与の炎症反応に伴う痛み認識のメカニズムと考えられる。また、痛み認識と同時に、痛覚抑制系も活性化する可能性も示唆された。
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