Project/Area Number |
06772062
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中田 雅久 東京大学, 薬学部, 助手 (50198131)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | リゾキシン / 誘導体 / 構造活性相関 / ジアミン配位子 / 触媒的不斉合成 |
Research Abstract |
リゾキシンの誘導体合成に関しては、その全合成中間体を利用し幾つかの化合物を得ることに成功し、それらの生物活性について現在検討中である。リゾキシンの8-ラクトン部位が、活性発現、チューブリンとの結合に極めて重要であるという知見から、8-ラクトン部位をシクロヘクサノン環に置き換えた化合物をデザインし合成を試みたが、既存のルートからは合成が困難であり、新しい合成ルートの開発が必要という結論に達した。一方、リゾキシン誘導体合成の簡略化、効率向上を目指した触媒的不斉合成研究は、まず不斉触媒の合成と既知反応におけるその不斉触媒能の検証を行った。当初の計画どおり、C_2対称性を有する不斉リガンドとして、1,2をデザインし合成した。1,2はジアミン配位子であり、種々の金属塩とルイス酸性錯体を形成しうる。そこで、前述したリゾキシン誘導体のシキロヘキサン環部位の構築へ利用する目的でこれらの不斉リガンド-金属塩触媒による触媒的不斉合成を検討した。六員環構築の方法論として最も有効かつ適用範囲の広い既知反応としてDiels-Alder反応を選び、1or2一金属塩触媒の不斉触媒能を試験した。下に示すように、2-Cu(OTf)_2を用いたときに、この系では実用レベルの選択性を観察でき、2が不斉リガンドとして利用可能であることが判明した。ここで見られた選択性については、2-Cu(OTf)_2-dienophile錯体が平面正方形ではなく正四面体であるとうまく説明でき、分子力場計算による安定コンフォマ-の割り出し、物理化学的手段による錯体構造の確認を検討中である。また、リゾキシンのフラグメント合成の簡略化、効率向上に関して、その部分構造を容易に与えるアルデヒド-ケテンシリルエノールエーテルによるアルドール反応に2-Cu(OTf)_2をルイス酸触媒として利用することを現在検討中である。
|