キラル配位子制御による有機銅の触媒的不斉共役付加反応
Project/Area Number |
06772068
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金井 求 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20243264)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 有機銅 / 不斉共役付加反応 / 触媒的不斉合成 / 金属選択的配位概念 / キラルウレアホスフィン配位子 / キラル配位子-銅錯体触媒 |
Research Abstract |
有機銅の共役付加反応はカルボニル炭素のβ位に炭素-炭素結合を形成する強力な合成反応であり、これを不斉触媒化することは天然物や医薬品合成の効率化のために極めて重要である。有機銅がハードなリチウムやマグネシウムとソフトな銅の二種類の性質の異なる金属から構成されることに着目し、これらの金属にそれぞれ選択的に配位するカルボニル酸素とリンからなる二座配位子により有効な不斉空間を構築できるものと期待した。この金属選択的配位概念からキラルウレアホスフィン配位子を設計、合成し、キラル配位子-銅錯体触媒制御によるグリニャ-ル試薬の不斉共役付加反応を行った。その結果、2モル%のように化銅と3モル%のキラル配位子の制御によりブチルマグネシウムクロリドはシクロヘキセノンに反応し、共役付加体を高収率、高選択性で与えた。銅とキラル配位子の結合を強くする目的で、リンの置換基に電子供与基を導入し電子密度を高めたキラル配位子では、さらに選択性の向上が見られた。本反応系は銅-キラル配位子錯体を触媒として用い、高い選択性で不斉共役付加反応を達成できたはじめての例である。本反応は種々のアルキル基が環状エノンおよびラクトンに高選択的に導入でき、グリニャ-ル試薬調製の容易さとあわせて、実際の合成反応にも応用可能な一般性の高い触媒的不斉アルキル化反応である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)