連続ペリ環状反応をkey stepとする炭素骨格の新構築法
Project/Area Number |
06772074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
衞藤 仁 熊本大学, 薬学部, 教務員 (70221116)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | furfuryl xanthate / furfuryl sulfide / sequential pericyclic reaction / solvent effect |
Research Abstract |
申請者は炭素分子骨格の立体選択的合成法の開発の一貫として、高い選択性を期待できるペリ環状反応の組み合わせによる、反応制御の可能性について検討してきた。その過程で、allylic xanthate類の連続[3,3]-シグマトロピー反応を利用したdithiolcarbonate類およびその熱分解によるallylic sulfide類の合成法を確立した。本反応は立体選択的硫黄原子導入法として有用性が高く、含硫黄化合物合成の重要なkey stepとして利用されている。 さらにallyl系のみならずdiene系にも適用可能であることから、IMDA(intramolecular Diels-Alder)反応を組み込むことにより多環性の複素環骨格の構築が可能であると考えられた。今年度は、本反応のdiene系への拡張を目的として、フラン環を有するxanthate類の熱分解挙動を合成化学的および速度論的に検討した。現時点までに得られた知見を以下に報告する。 1.furfuryl xanthate類を加熱すると、一段階で対応するsulfide類と同一炭素上でthione-thiol転位を起こしたdithiolcarbonate類を与えた。 2.熱分解の際、成績体の生成比は溶媒極性および反応温度の影響を顕著に受けた。反応条件を選ぶことにより、これら二種の成績体を目的に応じて選択的に合成することが可能であった。 3.各種溶媒中での反応挙動を速度論的に検討した結果、本反応が、かなり分極した遷移状態構造を経由して進行し、中間体のイオンの解離の度合いが溶媒の極性に応じて連続的に変化することを示していた。 4.IMDA反応と組み合わせ、furfuryl alkenyl xanthateからone-pot三連続ペリ環状反応によるhydroisobenzothiphene誘導体の合成に成功した。
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Report
(1 results)
Research Products
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