古細菌の一種、高度好塩菌に存在する抗癌剤排出蛋白の発現調節及び基質の検討
Project/Area Number |
06772095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical pharmacy
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮内 正二 北海道大学, 薬学部, 講師 (30202352)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 多剤耐性 / 古細菌 / 代謝ストレス / P-glycoprotein / 抗ガン剤排出 / アミノ酸 |
Research Abstract |
我々の研究室において、古細菌に属する高度好塩菌、Haloferax volcaniiがdoxorubicinに耐性を獲得し、その耐性メカニズムがP-糖蛋白類似輸送担体であることを発見している。そこで、私はこの細菌を用いて代謝ストレスによりP-糖蛋白類似輸送担体の発現が誘導されてくるか否かを検討した。この細菌が炭素源として利用できる栄養物質はglucoseやfructoseである。これらの糖(50mM)添加によりP-糖蛋白類似輸送担体が誘導された。一方、この細菌が利用することができない糖、2-deoxy-glucose,3-0-methy-glucose,sorbitolなどでは誘導が起こらなかった。このことから、過剰量の栄養付加により、生体にとって有害な代謝物が生じて、この除去のためにP-糖蛋白類似輸送担体が誘導したのではないかと推測される。 現在、糖代謝経路の阻害剤を用いて、どの代謝物が排出ポンプの誘導を引き起こしているかを検討している。更に、その代謝物を用いて誘導機構を詳細に検討中である。 更に、別の代謝負荷を行い、P-糖蛋白類似排出ポンプが誘導するか否かを検討した。過剰量(1%(w/v))のアミノ酸により、排出輸送担体の誘導が引き起こされた。特に、脂溶性の高いアミノ酸、Ala,Leu,Ileなどが強く誘導を引き起こした。同様に、過剰量のアルコールethanal,propanolなどによっても誘導された。これらより、グルコース代謝に特異的でなく、様々な代謝ストレスにより誘導される。現在、グルコース、アミノ酸、アルコールにより生じる共通な誘導因子を検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
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