Project/Area Number |
06772102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical pharmacy
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山下 富義 京都大学, 薬学部, 助手 (30243041)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 経皮吸収 / 吸収促進剤 / 基剤 / 皮膚拡散モデル / 高速ラプラス逆変換 / 溶解度パラメータ |
Research Abstract |
難吸収性薬物の経皮吸収を改善するアプローチの一つとして、吸収促進剤の利用が注目を集めているが、その効果は対象薬物や基剤の種類にも依存する。そこで本研究では、吸収促進剤を利用した製剤設計のための吸収予測理論の開発を目的として、吸収促進剤適用時における各種基剤からの薬物経皮吸収を拡散モデルに基づいて解析を行った。経皮吸収実験では、複雑な数学的解析に耐えうる精度の良いデータが要求されるため、フロースルー型拡散セルを用いたin vitro皮膚透過実験法を適用し、薬物皮膚透過性を評価した。モデル薬物としては、抗炎症剤として局所治療に用いられるヒドロコルチゾンを選び、吸収促進剤には、優れた機能を有することを既に報告している 1-ゲラニルアザシクロヘプタン-2-オンを用いて検討を行った。極性の異なる溶剤である水、プロピレングリコール、イソプロピルアルコール、ミリスチン酸イソプロピルを基剤に用いて検討した結果、ヒドロコルチゾンの皮膚透過は、ヒドロコルチゾンと同程度の溶解度パラメータを有するプロピレングリコールにおいて最小となった。一方、吸収促進剤の効果は、用いた基剤の極性が低くなるにつれて小さくなった。以上の結果を、皮膚を角質層とそれ以下の層の2層から成ると捉えた拡散モデルに基づいて解析した結果、薬物の角質層に対する分配係数は基剤の溶解度パラメータと放物線状の関係を示すこと、および吸収促進剤の作用機構を基剤の種類に依らないが、非極性基剤ほど吸収促進剤の親和性が高いため吸収促進剤の皮膚移行性が低くなり促進効果が小さくなることが示唆された。以上、皮膚透過パラメータと薬物および基剤の物性(溶解度パラメータ)との相関、さらには吸収促進剤の作用機構を考慮することで、吸収促進剤適用時における薬物吸収動態の総合的な理解が得られた。
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