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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
オピオイドレセプターの細胞内情報伝達機構について,アフリカツメガエル卵母細胞翻訳系を用いて調べた。ラット脳poly(A)+RNAを注入した卵母細胞において,μ,δ,κの各オピオイドレセプターサブタイプに特異的なアゴニストは,いずれも細胞内Ca2+振動の活性化に基づくCl^-電流応答を惹起した。分子クローニングされたラットκオピオイドレセプターのみを発現させた場合も同様なCl^-電流応答が見出され,百日咳毒素感受性GTP結合タンパク質(G蛋白)がその応答に介在していることが明らかになった。次に,κオピオイドレセプターと細胞内cAMP系および電位依存性Ca^<2+>チャネルとの共役について,それぞれ嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御タンパク質(CFTR)およびBIタイプCa^<2+>チャネルとの同時発現を試みた。κアゴニストはCFTR応答を増強,すなわち細胞内cAMP量を増大させ,またCa^<2+>チャネル応答を抑制した。これらの細胞応答にはいずれも百日咳毒素感受性G蛋白が介在しており,κオピオイドレセプターが細胞に発現している分子によって多彩な情報伝達様式をとる可能性を示唆している。μおよびδオピオイドレセプターの細胞内情報伝達様式についても現在さらに解析を進めているが,共役に類似性はあるが,脱感作様式などに差異が認められた。
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